雨の道化

今日も中身のない日々を小難しげに言い換えて

意味のあるゴミ溜めにすり替えるのに忙しい

 

(助けてくれ、手を差し出してくれ)

誰も気に止めぬ雨すら

(見つけてくれ、抱きしめてくれ)

悲劇とつぶやいてさ

 

僕だけに降る雨は涙をごまかして

優しく包むように凍えさせてくれる

びしょ濡れの服たちが体を重くして

悲劇はここにあると浸らせてくれるから

少しここで酔わせて

 

「いつまでここにいるの?」殺しに来た問いかけに

逃げ惑う僕を嘲る貴方は正しい人さ

 

(叫べやしない、手も伸ばせない)

傘もささず歩く僕は

(見つけてくれ、抱きしめてくれ)

泣いて見えやしないかい?

 

僕だけに降る雨は涙をごまかして

優しく包むように凍えさせてくれる

びしょ濡れの服たちが体を重くして

悲劇はここにあると浸らせてくれるから

少しここに居させて

 

哀れみだけ貪って居場所だと叫んでも

誰もが目を逸らして溜息ばかりだ

蔑みの眼差しが少しだけ減らせるから

悲劇に包まれて眠らせてくれよ

今は何も言わないで

もう少しだけ……